野鳥撮影におすすめのカメラ
野鳥撮影に使うカメラは一般的にはそれなりのスペックの一眼レフカメラが用いられることが多いです。
しかし一眼レフカメラは金額が高く種類も多いので、何を買うか迷いますね。
今回は野鳥撮影の中での数多ある用途や、予算にマッチしたおすすめのカメラを記載していきます。
連写速度
野鳥は動きが早い種類が多いので、ほんの一瞬を逃さないために連写速度を求めるケースが多いです。ちょこまか動く小鳥にフォーカスした時、連写速度が秒間5回と秒間10回では、抑えられる瞬間が倍も違います。この時ピントがきちんとあっていたり、綺麗に羽を広げた瞬間を抑えられるかどうかは運の要素も強いので連写速度が早い分、その瞬間を作り出せる確率が上がります。
画質・画素数
当然画質はいいに越したことがありません。とりわけ黒い野鳥や白い野鳥を写した時、白とびや黒潰れしないかどうかは重要です。
画素数に関しては、野鳥は小さく遠い距離から撮影することが多いので、クロップする機会が多いです。クロップする時、画素数が多いと遠くても鮮明に映るのでおすすめです。
センサーサイズ
フルサイズ or APS-Cのどちらが良いでしょうか。風景やスナップではフルサイズの方が画質が良い分良いとされますが、野鳥撮影においてはそうとは限りません。
なぜなら、センサーサイズが小さいAPS-Cの方が実質的な焦点距離が伸びるからです。
例えば400mmレンズであれば、35mm(フルサイズ換算)であれば当然、焦点距離は400mmになりますが、APS-Cだと焦点距離が1.5倍から1.6倍ほど伸びます(カメラによります)。
1.6倍の場合、400 * 1.6 = 640mmとなり、フルサイズで600mmレンズをつけるよりも焦点距離が稼げ、より大きく鮮明に写しだせます。これがAPS-Cが野鳥撮影において有利と言われる所以です。
もちろん、フルサイズのようなボケ感や表現力はAPS-Cでは得難いので、フルサイズを使った方がいいことも良くあります。
AF速度・AF精度
野鳥をMFで撮影する猛者もいますが、基本的にはAFです。この時、AF速度が遅かったり、AF精度が悪いと野鳥がボケてしまうことが多いです。野鳥は素早く動き、小さいのでAF性能はかなり重要です。フォーカスが枝にいってしまったりしている間に野鳥に逃げられたり、撮影したと思ってもピン甘だったりするケースは非常に多いです。
結局どのカメラがオススメなのか
以上を踏まえて、以下のパターンに分類したいと思います。
登山やハイキングなどで手持ちしながら気軽に野鳥撮影したい。種類を判定できるぐらいで良い。
値段も安く、コンパクトなものも多いので手軽に扱えます。
綺麗に撮影できるかどうかはレンズや状況次第ですが、暗いところや動き回っている野鳥でなければ、それなりに綺麗に撮影できます。
Nikon デジタル一眼レフカメラ D5300 AF-P ダブルズームキット ブラック D5300WZ3
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2017/02/17
- メディア: Camera
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上記のNIKON D5300のダブルズームキットレンズの300mmレンズで撮影したサンプルです。
野鳥を大きく確実に綺麗に撮影したい。
フルサイズではなくAPS-Cのハイスペック機をオススメします。
APS-Cのハイスペック機は野鳥撮影やスポーツ撮影に特化して作られていることが多いので、連写速度やAF性能も高いことが多いです。APS-Cなので焦点距離も伸びるため、野鳥を大きく鮮明に、確実に写しだせます。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 7D Mark IIボディ EOS7DMK2
- 出版社/メーカー: キヤノン
- 発売日: 2014/10/30
- メディア: Camera
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画質に妥協なし!値段は高くても構わない。
各メーカーのフラッグシップ機一択です。
連写速度、AP速度、AF性能、画質、全てにおいて最高です。
焦点距離がAPS-Cより稼げない分、鮮明に写すことは苦手ですが、600mmレンズや800mmレンズを使用すればきちんと大きく写し出せます。
APS-Cでは表現できない、繊細な色が表現できます。白や黒が本当に綺麗に写しだせます。
いかがでしたか。
野鳥撮影におすすめのカメラは用途や用意できる予算によって変わってきます。この記事があなたの用途に合わせたカメラを見つけるために役立てば幸いです。
追記:2018年2月12日
最近はOLYMPUSのOM-D E-M1 Mark2も人気があります。そちらも記事にしたのでご参考ください!
他の機材については以下を参照
野鳥ライフリストを簡単に記録する
野鳥観察をする上で、ほとんどの方は自分のライフリスト(何種類の野鳥を観察したか)が気になると思います。
ライフリストを知る上で観察記録をつける必要がありますが、これが結構大変で、エクセルで管理したり、ノートに書き記したりすると種類が増えるたびに管理が難しくなるかと思います。
しかし、ZooPickerではお手軽に見やすくライフリストをつけることができるようになっています。
この野鳥を見た!というワンクリック・ワンタップの記録からできるので、自分で管理するよりもかなり簡単。また、様々な角度からライフリストを確認でき、次に見たい野鳥などの目標が立てやすくなります。
以下のように、ライフリストが観察難易度別や、月単位、年単位などで確認できます。
イヤーリスト(年間観察種)の確認もできます。
記録はとても簡単で、見たボタンをクリックするだけ!
ぜひお試しください!
大砲レンズ(ロクヨン)と照準器(オリンパス EE-1)
野鳥撮影する上で400mm以上の望遠レンズは重要です。
特に画質にこだわると単焦点望遠レンズという選択になります。
しかし、ズームレンズの場合には気にならないことが、単焦点レンズになると急に気になるがあります。
それは、鳥をファインダーの中に収めることが難しいということです。
ズームレンズの場合、ワイド端で引いてからズームしていけばファインダーに収めることは容易ですが、単焦点になるとそれができず、目視した鳥をファインダーで覗くとどこにいるか分からないという問題が発生します。
焦点距離が長ければ長いほど、この問題は顕著に現れます。
そこで焦点距離が長いレンズには照準器という、ファインダー内が大体どのあたりを捉えているのか示すことができる道具をつけることが多いです。
今回は、その照準器のおすすめ品を紹介します。
OLYMPUS ドットサイト照準器 EE-1
OLYMPUS製の照準器です。EOS7DMark2とロクヨンに取りつけましたが、快適に使用できます。(Nikonの大砲レンズや、ゴーヨン、ヨンニッパなどのロクヨン以外のレンズでも問題なく使えるかと思います。)
他の製品と比べると、値段がリーズナブルという点と、照準が明るく見やすいというのがメリットです。
カメラへの取り付けも、照準を合わせるのも簡単ですぐに使用できました。
大変おすすめです。
実際の装着図です。カメラは7d mrak2、レンズはロクヨンです。
他の機材については以下を参照
野鳥撮影におすすめのレンズ
野鳥撮影に使うレンズは望遠レンズになることが多いです。
望遠レンズは平均的に価格が高いので、どれを買えば良いか迷いますよね。
今回は野鳥撮影の中での数多ある用途や、予算にマッチしたおすすめのレンズを記載していきます。
そのために、まずは野鳥撮影用のレンズを選ぶ上で、重要な指標を説明します。
携帯性
まず、レンズは焦点距離が長かったり、明るいレンズになったりすることで、より大きく重くなり携帯性が悪くなります。
野鳥撮影は最低でも400mmは欲しいので、携帯性を上げたい場合はあまり明るくないレンズよを選ぶことにより望遠レンズでも軽量でコンパクトなレンズが選べます。
携帯性を上げつつ焦点距離を上げたい時は、テレコン(Nikon)やエクステンダー(Canon)を装着し焦点距離を1.4倍にすることができます。
価格
価格(コストパフォーマンス)を重要視したい場合、NikonやCanonの純正レンズではなく、SIGMAやTamronなどのレンズをおすすめします。
純正と比べて画質が良くないといった問題は感じられません。
綺麗に写真を撮られている方で、SIGMAのレンズを使っている方はたくさんいますので、数値的なスペックが同様であれば、純正であることにこだわる必要性は薄いかと思います。
画質
画質を上げたい場合は、ズームレンズより単焦点を選ぶと良いです。
単焦点にすると急に鳥が近くなった時や、大きい鳥を撮る時に不便ですが、画質を求めると単焦点であることはとても重要なので利便性に関しては妥協する必要があります。
また蛍石のレンズを使っているような高価な単焦点レンズは画質は凄まじく良いですが、携帯性も悪く、値段もとても高くなります。(メーカーや焦点距離にもよりますが、数十万円〜200万円ぐらいの高級品です)
それぞれの指標の関係性
概ね以下のような関係性があります。
(概ねとしているのは、例えばあるあるレンズの新型と旧型の関係はこの限りではないということです)
携帯性を上げると:画質が下がり、価格が下がる
価格を下げると:画質が下がり、携帯性は上がる
画質を上げると:携帯性が下がり、価格が上がる
なので、画質を求めなければ必然的に安くなり、コンパクトになるという関係性です。
どのレンズがオススメなのか
以上を踏まえて、以下のパターンに分類したいと思います。
登山やハイキングなどで手持ちしながら気軽に野鳥撮影したい。けど鳥が米粒のようになってしまうのは嫌だ。
400mm程度のレンズだと、遠くの野鳥撮影で大きく鮮明に映すことができませんが、風景写真のように小鳥を小さく映す場合だと最適な焦点距離です。
また、水鳥や猛禽系の大きな鳥は400mm程度で十分なケースが大半です。なにより、1kg程度のレンズなので持ち運びに苦労しないし、手持ちが楽なのが魅力。(重いものは3kf、4kgになり手持ち撮影は辛くなります。)
Nikon 望遠ズームレンズ AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR フルサイズ対応
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2013/03/14
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Canon 望遠ズームレンズ EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM フルサイズ対応 EF100-400LIS2
- 出版社/メーカー: キヤノン
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: Camera
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上記のNIkon400mmで撮影したベニマシコのサンプルです。
主に小鳥をなるべく大きく鮮明に写したい。価格はなるべく安く。
SIGMA製の150-600mmレンズがオススメ。600mmレンズは純正を買ってしまうとものすごく金額が跳ね上がります。600mmの望遠にズーム機能があるということがメリット。遠くの小鳥にも、急に近くに寄ってきた小鳥や、大きめの鳥や動物にも対応できます。F値が若干高めですが、朝や夕方の暗い林の中でなければほとんど気になりません。
SIGMA 超望遠ズームレンズ Sports 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM キヤノン用 フルサイズ対応 740542
- 出版社/メーカー: シグマ
- 発売日: 2014/10/24
- メディア: エレクトロニクス
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SIGMA 望遠ズームレンズ Contemporary 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM ニコン用 745554
- 出版社/メーカー: シグマ
- 発売日: 2015/05/29
- メディア: エレクトロニクス
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画質に妥協なし!値段は高くても構わない。
Canon、Nikon純正の600mmレンズがオススメ。通称ロクヨンと呼ばれるレンズです。
野鳥撮影や航空機の撮影、スポーツの撮影など、遠くのものを鮮明に映すためのレンズです。600mm以外にも500mm、800mmなどがありますが、最初に持つのであれば600mmがオススメ。500mmはF値も600mmと一緒でスペック的には完全に下位互換で(その代わり少し軽くコンパクトです)、800mmの望遠が必要になるケースは少ないからです。
遠くの小鳥を羽の1本1本まで鮮明に映し出すことができますし、600mmかつF4のため驚異的なボケ味が再現できます。
Canon 単焦点超望遠レンズ EF600mm F4L IS II USM フルサイズ対応
- 出版社/メーカー: キヤノン
- 発売日: 2012/05/31
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Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2015/07/16
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いかがでしたか。
野鳥撮影におすすめのレンズは用途や用意できる予算によって変わってきます。この記事があなたの用途に合わせたレンズを見つけるために役立てば幸いです。
他の機材については以下を参照
台湾 阿里山で野鳥観察7月16日〜7月19日
台湾の阿里山で野鳥観察をしました。
阿里山は、台湾においての野鳥観察のメッカで、日本では見ることができない多くの野鳥を観察することができます。アリサンヒタキなどの台湾固有種も豊富に観察できます。
ネットで調べても具体的な情報が少なかったので、今回の野鳥観察記録が他の方の役に立つと良いなと思います。
行き方
MRTを使い、松山空港->高鐡台北
新幹線を使い、高鐡台北->高鐡嘉義
タクシーを使い、高鐡嘉義->阿里山賓館(今回泊まってホテル)
というルートで行きました。
阿里山での探鳥は、主に阿里山国家風景区と呼ばれるエリアで行いますが、その中でも取り分け沼平公園というところが野鳥が多いです。
阿里山賓館は、沼平公園徒歩10分程度で行けて、ホテルのグレードも良くストレスが少なく済むので、オススメです。
その他は対高岳観日坪というところで野鳥を観察しましたが、こちらは阿里山賓館から徒歩40分ぐらいのところにある展望台のようなところです。阿里山は小笠原展望台からのご来光が有名で、そのご来光の帰りに寄ることができます。
観察できた野鳥
沼平公園:アリサンヒタキ、ミヤマビタキ、シマドリ、ヤブドリ、カンムリチメドリ、ズアカエナガ、タカサゴマシコ、ヒガラ、ニイタカキクイタダキ、ウチダウソ、キバラシジュウカラ
対高岳観日坪:アリサンヒタキ、カンムリチメドリ、ヒガラ、キンイロダルマエナガ、キンバネホイビイ
阿里山賓館近くの川沿い:カワビタキ
合計14種類の観察に成功し、ヒガラ以外は日本では通常見ることができない鳥です。
詳細は以下のページをごらんください
その他には阿里山では、タカサゴミソサザイ、シロクロヒタキ、キクチヒタキ、ミミジロチメドリ、チャバラオオルリなど野鳥好きが垂涎する野鳥が豊富です。(今回は残念ながら観察できませんでした)
個体数も多く、さながら舳倉島のように多くの野鳥と巡り会えました。
その他注意事項
阿里山は天候が不安定で、朝晴れても、昼から雨が降るケースが大半です。
探鳥は午前だけできるということと、急な雨に降られてもいいような装備をすると良いです。
舳倉島 2016年4月30日 野鳥観察記録(今年は大豊作でした!)
舳倉島に4月30日から5月7日まで合計8日間、野鳥を観察に行きました。
今年は当たり年のようで、かなり多くの鳥を見ることが出来ました!
まだ写真の整理が完全に終わっていませんが、めどが立ったので順次掲載していきます!
詳しくは、下記のリンクから御覧ください!
BIRDS OF EAST ASIA を買いました
台湾(阿里山)探鳥へ向けて、BIRDS OF EAST ASIA を買いました。
BIRDS OF EAST ASIAは、日本を含めた中国、台湾、韓国、ロシアなどの東アジアの野鳥について、まとめられた本です。
日本ではマイナーな野鳥も多く掲載されており、合計985種類の野鳥が挿絵付き(しかもオスとメス両方)で解説されています。
生態や生息環境、形態、が文章で解説されているとともに、地図で生息域が示されています。生息域は、冬鳥・夏鳥・留鳥・渡鳥・迷鳥の5つの区分で示されています。
ページ構成は通常の図鑑にありがちな種ベースの構成ですが、鳥の名前や生息域から
逆引きが出来るようになっています。見たい鳥をどこで見られるか、台湾ではどんな鳥が見られるか、などの使い方も出来ますね。
日本の図鑑以外を買うと、迷鳥などの同定に強くなると思います。
そして何より、見たことがない鳥を見ることが面白いので、海外探鳥の予定がなくとも、洋書を購入する価値は高いと思いました。鳥好き必見です。
Birds of East Asia: China, Taiwan, Korea, Japan, and Russia (Princeton Field Guides)
- 作者: Mark Brazil
- 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr
- 発売日: 2009/01/26
- メディア: ペーパーバック
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